中澤卓也 MINI チャレンジ JAPAN2024 第5戦 レースレポート

〜中澤卓也 MINI チャレンジ JAPAN2024 第5戦 レースレポート〜

[Date]
2024/10/05-10/06 富士スピードウェイ
[Result]
予選 クラス 2番手
決勝 【Race 1】優勝 【Race 2】優勝

【予選】10/05 (土) 天候・雨 路面・ウェット

前回大会、SUGOラウンドから2ヶ月ほどのインターバルがあっての今回の富士大会。かなり長めのインターバルがあっての今大会、金曜日のフリー走行ではマシンのフィーリングやドライビングの感覚など、丁寧な確認作業をする時間が過ごされた。金曜日の天候は晴れてドライ路面だったが、この時点で土曜日の予選は雨の予報。マシンのフィーリング的には好感触だったため、あとは落ち着いて雨予選のセッティングを決めていけばポールポジションが狙える手応えは感じていた。

迎えた土曜日、予報通りの雨で路面はウェット。雨の予選はドライビングも神経を使うシチュエーションだが、マシンセッティングやコースインのタイミングなど、様々な要素に頭を使う時間になる。通常のセオリーであれば、ウェット路面のセッションの場合は時間が経過すればするほど路面上の水が他車の走行により少なくなり、水量の少ない路面が出来上がっていく。この路面が良くなってくるタイミングでコースインしたいところだが、この時間経過を待つという行為は、予選中の赤旗中断や何らかの理由で予選中のアタックが出来ずに終わってしまうというリスクも同時に高まってしまう。チームとは、ここのさじ加減を最後までシミュレーションをして、最終的には予選開始からコースインをして着実にタイムを残していくという作戦になった。マシンのセッティングもそれに合わせ、タイヤの内圧は少し高めでコースイン。

予選がスタートすると、まわりのライバルたちも赤旗などを嫌ってなのか、ほぼ全車がコースインする展開になる。コース上の場所取りも良い位置を保ちながら、セッション序盤にポールタイムを記録。2番手以降を、3秒〜4秒ほど離したタイムだった為、一度ピットインをしてマシンセッティングを変更。翌日の決勝日も、レース1は雨が予測されていたために、予選の時間を有効的に使い決勝を見据えたセッティングを試した。 誰もが中澤のポール獲得と思っていたが、セッション後半残り5分ほどを迎えたタイミングで、ポールポジションが入れ替わってしまう。その差、コンマ1秒。取り返すべく、再びアタックを仕掛ける中澤だったが、セッティングを多少変更してしまっていることもあってか、及ばず2番手で予選を終えた。

【決勝 Race1】 10/06 (日) 天候・雨 / 路面・ウェット

昨日の予選の悔しさを抱えながら、迎えたレース1決勝。予選同様に、路面は完全にウェット路面。予選中に決勝を見据えたセッティングをトライできたからなのか、中澤は案外落ち着いて決勝を迎えていた。 決勝レースも予選同様に、雨のレースは荒れる展開が想像できる。黄旗や赤旗などでレースが荒れて行く前に、中澤はトップのマシンをオーバーテイクする気持ちでいた。

午前10時半、20分間の決勝がスタート。ウェット路面のスタンディングスタートは、トラクションの掛け方が重要になるが、このスタートでトップのマシンをパス。トップで1コーナーをクリアし、レースの流れは中澤に向いてくる。シリーズランキングを考えると、チームメイトの豆野選手と全くの同ポイントで並んだ状態で富士大会を迎えていた。予選でのポールポイントを取れなかった中澤は、決勝でのファステストラップポイントを獲り行くべくフルプッシュ。無事にファステストラップを記録した中澤は、2番手以降との間合いをコントロールしながらレースをリードしていく。レース前半にトップをオーバーテイク、そしてファステストラップを獲り行く作戦でいた中澤のマシンは、セッティング的に内圧高めの序盤有利なセッティングでスタートしていた。このため、レース後半はタイヤが辛くなっていく。内圧が上り過ぎてタイヤがオーバーヒートしないように、ストレート区間などでは他車が走行していない水の多いラインを走行して、タイヤの表面温度を下げていく。

レース後半、トラブル車両によりセーフティーカーランとなる。ここでも、流れは中澤に向いていく。セーフティーカーラン中は、セーフティーカーの先導となるため、マシンはレーシングスピードでの走行ではなくなる。このため、懸念していたタイヤの温度や内圧はこの間にどんどんと下がっていく方向。案の定、セーフティーカー明けのレース再開時は、タイヤのグリップもかなり回復していた。 全ての流れを味方にしたまま、レース1をトップでチェッカー。レース1は、今季4勝目となった。

【決勝 Race2】 10/06 (日) 天候・晴れ / 路面・ドライ

“山の天気は変わりやすい”と言う言葉通り、先ほどの雨が嘘のようにレース2は青空が窺える。路面は完全ドライとなり、レース1とは全く異なる展開に。中澤は、このレース2に懸ける思いがとても強かった。開幕戦の富士では、チームメイトの豆野選手に2レースとも優勝を許してしまい、開幕戦以降のレースでも、レース2も優勝で終える“2連勝”と言うリザルトが過去に無い。この富士のレース2、勝ちたい気持ちはライバルよりも遥かに強かったはず。

レース1のリバースグリッド方式となるレース2のスターティンググリッドは、4番手スタート。2番手にはチームメイトの豆野選手。中澤はレース1からの流れから、“前半勝負”のテーマを掲げてスタートを迎えた。 午後2時、ローリングスタートで20分間の決勝がスタート。中澤のテーマ通り、スタート直後の1コーナーで3番手のマシンをオーバーテイク。続く1周目のヘアピンで、2番手・豆野選手をオーバーテイク。勢いはそのまま、2周目の同じくヘアピンでトップのマシンをオーバーテイクしトップへ躍り出た。しかし、中澤の闘いはまだ終わらない。レース1同様に、レース2もファステストラップポイントを獲りいく。

天候が晴れということもあり、マシンの熱ダレが進行する前にトップへ出て、自分のペースで走れる位置でフルプッシュをかけたかった中澤は、2ラップ目にトップへ浮上した甲斐もあり、レースもライバルを1秒以上引き離すタイムでファステストを記録。レースはこのまま荒れることもなく、20分間のレースはチェッカーへ。 ようやく勝てたレース2、決勝レースで獲得できるポイントは全て獲得した、まさに“完全制覇”の富士大会となった。

中澤卓也コメント

今回の富士大会、最高に気持ちの良い週末を過ごすことが出来ました。本当に、ありがとうございました。

前回レースから2ヶ月のインターバルがあったこともあり、金曜日の段階からチームとのコミュニケーションをかなり密に取るような意識でいました。そのことが、今回の結果にも繋がったと思いますし、どのセッションを見てもマシンセッティンなども本当に良かったし、チームにもメカニックにも本当に感謝です。

個人的に“鬼門”だったレース2も、ようやく勝つことが出来ました(笑) シリーズランキングを考えても、完全なる同点で富士を迎えていたので、なんとしてもこのラウンドでポイントをリードして最終戦に挑みたかったです。その目標もクリアすることが出来て、あとは最終戦を落ち着いてノーミスで終え、シリーズチャンピオンという形で、今シーズンお世話になったチームに恩返しができたらと思っています。

今回の流れを掴んだまま、最終戦のもてぎ大会も頑張りたいと思います。今回も、サーキットに本当に大勢のファンの方が集まってくれて、めちゃめちゃ心強かったです!YouTubeの配信では、チャットで応援メッセージをくれた方もたくさん、いつも本当にありがとうございます! みなさんの想いも胸に、シリーズチャンピオン目指して頑張ります、応援よろしくお願いします。

次戦は、いよいよ最終戦。
11月23日 (土) 予選、24日 (日) 決勝、栃木県・『モビリティリゾートもてぎ』にて開催される。